外資系企業のエグゼクティブから学んだこと 一枚のメモ
こちらのJapan Cloud Blogに登場しているヒラリーさんには、二度1on1 Meetingをしてもらったことがあります。ヒラリーさんとわたしがセールフォースで働いていたときのことです。
一度目の1on1は、サンフランシスコの本社で、二度目はそれから数ヶ月後、来日された際でした。
当時のヒラリーさんは、一つの営業部門のグローバル責任者だったと思います。数千人のチームをリードするExecutiveでした。 わたしの立場からすると「わたしの為に時間を使ってもらって申し訳ない」と恐縮する存在の方でした。
そんなヒラリーさんと1on1の機会は、わたしにとっては「ギフト」でした。
一度目の1on1でヒラリーさんは、ポストイットより二回りくらい大きなメモ用紙のようなものに会話内容をメモし、折りたたんでしまっていました。何故かそのシーンのことはよく覚えています。「あの紙、どうするのかな?」と思ってその様子をみていたからです。
そのメモ用紙は、とりあえず財布に入れたものの、後でまとめて捨てられるコンビニのレシートとダブって見えました。
それから数ヶ月後、ヒラリーさんが来日した際に二度目の1on1がありました。
「今回も時間をとってくれてありがとう、前回はこんな話をさせてもらって、、」と「前回のことは覚えていないはずという前提で」ゼロから話を始めようとしたところ、ヒラリーさんは「覚えてるよ」と言いながら、自分のノートに挟んでいた、紙キレを取り出しました。その紙キレは、一度目の1on1のメモでした。
わたしは驚きました。「え? その紙キレ、何ヶ月も持っていたの?」と。直属の部下でもないわたしとのメモ、ノートに挟んで持っているのは邪魔だったことでしょう。まとめて捨てられたはずのコンビニのレシートは、捨てられていなかったのです。
わたしが、それだけ重要な人物だったと言いたいところですが、残念ながらそうではありません。 だからこそ驚いたのです。トップに立つ人というのは、そういうことが普通に出来る人なんだなと感動したことを強く覚えています。
100人の組織であっても、10,000人の組織であっても、1対Nで人と接するのではなく、1対1で接することが出来る人こそが素晴らしいリーダーなんだということを学んだ時間でした。