そうは言っても、アグレッシブな法務やコンサバな営業じゃ困るでしょ という話
自分の性格と違う人を理解し、その違いを認めるというのは、意外と難しい話です。
あの人は末っ子だから、あの人はB型だから、あの人はxxだからという感じで、笑って済ませられるケースもあれば、仕事上の関わりとなると、そうも言っていられません。「あいつとは合わない」「あいつのことは理解できない」となったり、逆に意見の合う人だけで群れることもあるわけです。
この「性格」というのは、個人について存在することはもちろん、部門にも特有の性格というものがあります。 (そして、会社単位の性格が「カルチャー・社風」というものなのでしょう。)
マーケティングは、自由で承認されたい人が多い部門で、営業やプリセールス部門は夢を語り、目標達成のために嘘をつかない範囲でアグレッシブな性格があり、逆にポストセールスは慎重で、確実なことを好み、それは知らないと言えちゃうとか、ファイナンスは会社のお金にはコンサバかと思いつつ、意外と大胆にお金を使えるとか、リーガルはルールに厳しい割に、一風変わった自由人が多い組織であるなど。
これらは全て例え話ですが、このように部門の典型的な性格というものがあり、部門間の揉め事やすれ違いというのは、この部門による性格の違いから起こるような気がしています。
個人間の性格の違いを認めるのは簡単ではないという話を冒頭にしましたが、会社においては「その性格があるからこそ良い仕事ができる」という側面もあります。
マーケティングが引っ込み思案では困るわけです。
営業やプリセールスがコンサバで困るのは、会社全員です。
ポストセールスがいい加減だったら、「動かないシステム」で世の中はあふれかえるでしょうし、お金にルーズはファイナンスは、もはや存在価値はないわけです。 そして、アグレッシブな法務では会社が心配です。
このように、各部門には他部門と違う性格があるわけですから、わかりあえなかったとしても、それを受け入れなくてはいけません。
そして、「自分が出来ないことをやってくれている人」と思って感謝しましょう。
こんな、話を思い出しました。わたしの営業チームに、テクニカルサポート出身の人が異動してきたときの話です。 その彼に、わたしはこんな質問をしました。「テクサポって大変だよね。だっていきなり知らない人に怒鳴られたりするわけでしょ? 辛すぎでしょ」と。
彼の返事は、意外なものでした。「いえ、自分が起こしたトラブルじゃないし、私に怒ってるわけじゃないので、全然気持ちは楽ですよ。それに困っている人を何とかしてあげたいと思うんですよね。 」「むしろ営業は全部自分の責任じゃないですか。だからそっちのほうが、はるかに大変です。」という内容だったのです。
なるほど、こういう人に支えてもらっているのか、と大きな驚きとともに感謝の気持ちをもったことを思い出しました。