見出し画像

9月1 日 防災の日に思い出す本 『生き残る判断 生き残れない行動』

みなさん、おはようございます

9月1日といえば、くい(杭)の日、キウイの日、そして、おわら風の盆が始まる日だそうです(私は行ったことがないですが、課長島耕作を読んで以来、一度は行ってみたいと思っています)

そして防災の日ですね。 防災の日や、何か災害があると思い出す本があります。それがこの本、『生き残る判断 生き残れない行動』です。

amazonの購入履歴をみると、2011年4月29日に購入しているので、東日本大震災があり、何か思うところがあった当時の私はこの本を買ったのでしょう。

本のタイトルだけみると、サバイバル術のHow To的な内容と思われるかも知れませんが、ちょっと違います。 私は読みながら、「これはビジネスの世界でも同じことが言えるな」と思いました。

 極限状態に置かれた人間の限界、そしてその限界を打ち破るための方法について、インタビューと脳科学や生理学などの裏付けを元に、リスクへの対処について書かれた本です。

そして何より印象に残ったのは、「正常性バイアス」の存在です。

Wikipediaによると、

正常性バイアスとは、自然災害や火事、事故、事件などといった自分にとって何らかの被害が予想される状況下にあっても、それを正常な日常生活の延長上の出来事として捉えてしまい、都合の悪い情報を無視したり、「自分は大丈夫」「今回は大丈夫」「まだ大丈夫」などと過小評価するなどして、逃げ遅れの原因となる。「正常化の偏見」、「恒常性バイアス」とも言う。

とのこと。

非常事態に遭遇した群衆は、取り乱しパニックに陥るものと想像しがちですが、実際にはパニックはめったに起こらないそうです。 まず訪れるのは、パニックではなく「否認」です。自分が生命の危険に直面していることを信じようとしない脳の働きです。  

決してサボっているわけでも、怠けているわけでもないのが、このバイアスの怖いところです。

突然想像だにしなかった状況に置かれた人は、「こんなことが起こるわけない」といった希望的観測にとりつかれ、自分の置かれている状況を直視せず、今、目の前で起きていることを否認し、一刻を争う状況に置かれているにも関わらず貴重な時間を無駄にしてしまう。(少しの寝坊なら、すぐに起き上がって行動に移すのに、がっつり寝坊してしまった時には、しばらく布団のうえでぼーっとしてしまったことを思い出します。)

では、どうすればいいのか。

事故の生存者を調査したところ、飛行機のシートに入っている「安全のしおり」を読んだり、搭乗時に見せられる安全のためのビデオをしっかり見た人の生き延びる確率は、そうしなかった人たちよりも明らかに高かったそうです。 そうしなかった人たちは、パニックになり、非常口のハンドルを押し下げているつもりで、ドアの肘掛けを押し下げたりといった、にわかに信じられない行動を起こしてしまったそう。。。

「悲観的に準備し、楽観的に対処せよ」という言葉があります。 瀬島龍三さんや、佐々淳行さんがよく使った言葉として有名ですが、ビジネスにおいても全くその通りだと感じます。 

そして、「悲観的に準備する」には、同僚やマネージャーなど他人からの指摘が効果的です。 なぜなら自分では気が付かないのがバイアスだからです。 パニックになっていなかったとしても、自分では気づかないことは多々あります。それは誰にでもあります。言うまでもなく私にもあります。 

「生き残る行動」をとるために、チームで意見交換をしていく。個別にフィードバックをしていく。率直な質問を投げかけていくことです。

「正常性バイアス」は誰にでもあるものです。 自分自身の言動が、「過去はこうだったから、、、」「まだ大丈夫、、、」「たぶん難しい、、、」「どうせ、、、」 などと、バイアスに支配されていないか?   そして解決策もないまま、その場に立ちすくんでいないか?   さらには、そうなってしまっている人が周囲にいないか? まで意識できると良い環境が作れていくのではないでしょうか。

お読みいただき、ありがとうございました!