数値化できない中で意思決定する力。データを見せろという時間稼ぎはしたくないです。
生きていますと、日々意思決定の連続です。
今日は、土曜日。何をして過ごそうか? お昼ご飯は何を食べようか? なんの本を読もうか?
特に強い必要性がない場合は、意外と悩んでしまいます。
仕事においても「どっちにしましょうか?」と選択肢を絞って聞いてくれることもあれば、「どういう方向性にしましょうか?」とオープンクエスチョンで可能性を広げて聞いてくれることもあります。
豊田章男さんの「社長というのは決める仕事だ」という言葉が印象に残っています。
わたしのレベルでも、世の中にインパクトを与える非常に大切な意思決定をしていると思っています。(わたしたちCoupaは世の中に良い影響を与えるために全社員で事業をしていますので、自社の意思決定は自社内のみならず、お客様やパートナー様および世の中に影響を与えると自覚しています)
そんな大切な意思決定を求められたとき、思わず「わからないなぁ」と言ってしまうことが多いです。
それもそのはず、優秀なメンバーが考えた上で「これは大切な事項だから相談すべきである」「これはちょっと判断に迷うな」ということを相談してきてくれるわけなのだから、はっきり言ってわたしも迷うに決まっています。
優秀なメンバーは、簡単な相談はしてこないんですから。
だからわたしは、格好をつけずにわからないときはわからないと言うようにしています。
そして、どの部分で迷っているかを言います。思考回路を口に出すようにします。
その上で「自分が判断するなら、こうする」と言います。
そして「どう思う」と聞くようにしています。
「私も迷っていたのでそうしましょう」と言われるか、「私はこっちと思っていたんですよね」と言われるか。それによってもう少し議論をします。
わたしが一つ意識していることは、容易に「データを出してくれ」と言わないことです。もちろん問題の根本原因を見つける際にデータは必須です。マーケットサイズを見る。お客様の声を知る。アンケート結果を見る、営業現場の声を聞くなどは、いずれも重要なデータ・情報です。
それでも容易に「データを出してくれ」と言いたくないのは、その発言が「判断からの逃げ」だと思うからです。その典型は「ROIを見せろ」です。
意思決定をする上で、数値データは貴重は判断材料になります。しかし、自分たちはどうするのか? という判断をする際に、必ずしも過去の数値データは助けてくれません。
データが取れないことを判断するのが自分の仕事です。
やってみないとわからないことを判断するのが自分の仕事です。
まあ、すぐに「わからないなぁ」と言いますけども。。。