Dealing with Ambiguityのコンピテンシーがあると、会社生活は楽しめると思います
28歳くらいから35歳くらいまで、わたしはDellで働いていました。ちょうど伸び盛りの年頃だったこと、素晴らしい先輩がたくさんいたこと、Dellのビジネスモデル、オペレーションモデル、マネジメントシステムが優れていたこと、ライバルと思える仲間がたくさんいたこと、などが相まって、川崎ソリッドスクエアでは多くのことを学びました。日本企業からDellに転職して本当に良かったと心から思います。
当時、Dellには「Managementにとって必要なコンピテンシー」というものがありました。たぶん12個か13個だったのですが、あれから20年近く経ったいまでも12個は言えます。13個かもしれないので「全部言える」と言えないのが残念ですが、、、
12個のなかで、わたしが一番「ほほー、そうくるか」と思ったものが、Dealing with Ambiguity です。
VUCA時代と言われてしばらく経ちますが、そのVUCAのAですね。
日本語で言うと「曖昧さへの対処」といったところでしょう。スピード速く成長している事業、新しいことをやろうとしているチーム、正しい答えは誰もわからない状況においては必須のコンピテンシーだと思っていますが、初めて聞いた時は「そこをコンピテンシーとして切り取るのか」と感心したのを覚えています。
仕事には「曖昧では困る仕事」がたくさんあります。きっちりとした手順で、マニュアル化して、誰がやっても同じ品質でやらなくてはいけない仕事。曖昧さは極力排除しなくてはいけない仕事はたくさんあるわけです。
しかし、それとDealing with Ambiguityがマネジメントにとって必須のスキルであることは矛盾しません。
先日お会いしたお客様がこんなことを仰っていました。「管理部門は管理してはいけない」と。
「確かに管理部門は、ルールやプロセスを作り、会社や個人を取り巻くリスクを排除することも重要な仕事の一部です。しかしそれがエスカレートして、官僚的になってはいけない。リスクを過度に恐れるカルチャーを作ってはいけない。事業の成長を支援するのが管理部門のミッションなんだ」と仰っていると解釈しました。
目指すべき世界観はクリアです。しかしHow? は誰にもわかりません。まさにDealing with Ambiguityです。
情報を読み解く力、歴史から将来を予測する力、必死に情報を集めても正解がわからない状況下で自分が信じる価値観を軸に方向性を見出す力、トレードオフが発生するときの判断軸、成功確率50%だけどここまで考えたんだからあとはやってから考えようという思い切り力、これらを総合したものがDealing with Ambiguityなのかなと考えています。
この必須スキルであるDealing with Ambiguityを身につけるためには、成長企業、新事業領域で働くことは持ってこいです。
みなさんも、Ambiguityという単語だけでも覚えて帰ってください。