近藤康太郎 『三行で撃つ』 ちょっとうまく書けたら、と思う人へ
わたしの持論は「全ては母国語の力から」です。日本語の能力があれば何とかなります。
見まわせば「プレゼンテーションスキルを身につけたい」や「英語でのコミュニケーションスキルを身につけたい」という人はいますが、「(日本語の)文書を上手に書きたい」という人には、なかなか会いません。
もちろん「お前はもっと英語を勉強しろ」という指摘も聞こえてきますし、前向きに英語を勉強している人に水を差すつもりもありません。
ただ「英語もいいけど、日本語もね」とは思います。
今日の一冊は、文章の本です。
三行で撃つ 〈善く、生きる〉ための文章塾
わたしは、上手な文章を書くことへの憧れが大きいのでしょう。こういった本が好きです。
近しいジャンルの本を連続で読むと、いくつかの共通点が見えてきます。
もしくは、ウォーレン・バフェットとわたしの共通点を「コーラ好きである」という一点に無理に見出したように、自分の意見と近い部分だけを見つけ出して、自分の正当性を強化されていっているだけなのかもしれません。
わたしが感じた共通点は、こんなところです。
・下手な文章で読み手に負担をかけるな。
・しかし引っ掛かりの全くない文章は面白くない。
・楽をして文章を書くな、思考停止ワードを使うな。
・加える作業よりも、削る作業に力を入れろ。
ここまで書いてみてわかったことがあります。
それは、「上手な文章は読んでいて心地が良い」ということです。
わたしが、『文章読本』を何冊も読むのも、近藤康太郎さんの本が好きだったのも、文章を上手に書きたいからではなく、良い文章を読むことが、好きな音楽や映像に触れるかのごとく、気持ちが良いからなのかもしれません。
そして、「ビジネスにおいては日本語が大切」と信じているわたしの主張とシンクロしているようで気分が良いのです。