小学生の学力が高い都道府県の共通点を探してみる 2021年9月20日
DIAMOND onlineでこんな記事をみかけました。子どもの学力が高い都道府県ランキングです。
下の表がそのランキング。
その結果が先日公表されたが、小中の国語と算数・数学を通じて、石川県・秋田県・福井県の3県が上位に位置している。これは、前回までの調査結果とほぼ同じだ。
今日は祝日で時間もあるし,なぜ石川県・秋田県・福井県の学力が高いのか? 30分くらいで調べられるところまで調べてみましょう。はたして有力な仮説にたどり着けるか。
基本の数字 データソースはこちら
小学校の数
石川県 211校
秋田県 202校
福井県 201校
生徒の数
石川県 約60,400人
秋田県 約43,300人
福井県 約42,000人
教員の数
石川県 約4,031人
秋田県 約3,099人
福井県 約3,060人
仮説その1: 先生と生徒の比率,先生比率が高い
先生:生徒比率
石川県 同率13位 1:14
秋田県 同率26位 1:13
福井県 同率26位 1:13
もっとも先生比率が少なかったのが、17人で埼玉、東京、神奈川、千葉など。
上記の数字からはなんとも、、、
仮説その2: 小学校一校あたりの人数が少ない
仮説1と親しい発想ですが,学校あたりの人数が少なく,その分教育が行き届くのでは?という仮説です。
小学校一校あたりの生徒数
石川県:21位 286.6人
秋田県:37位 214.4人
福井県:39位 209.0人
もうちょっと下位に集中してくれているといいのですが、ここからはちょっと読み取れないですね。
仮説その3: 1クラスあたりの生徒数の人数が少ない
これも同じような発想です。クラスあたりの人数が少ないほうが教育が行き届くかなという仮説です。
1クラスあたりの生徒数
石川県:14位 22.4人
福井県:32位 20.00人
秋田県:39位 19.30人
ちょっとこじつけるには無理のある結果でした。学校、先生、生徒の数だけだと難しいですね。
仮説その4: 塾が多い
まあ違うよなと思いつつ調べてみましょう。塾の数です。
小中高生あたりの学習塾の数
石川県:27位
秋田県:32位
福井県:38位
生徒あたりの塾が多ければ、教育熱心とか言えるかなと思いましたが、
こうなると定量的な面だけで考えるのは無理がありそうです。
調査時間30分の時間切れになってしまいました。共通点は見つかりませんでした。
記事の中では、こんな考察がされています。
石川、秋田、福井の3県は、「記述式」問題の正答率が特に高い。それも、記述式の中でもより難易度の高い設問が、全国をさらに大きく上回っている。
トップ県と全国平均との差が出た理由は、普段の授業のあり方や家庭学習の仕方によるものと考えられる。単に式と答えを書くというだけでなく、その数式の意味を論理的に考え、それを自分の言葉でわかりやすく説明することを重視する算数の授業・学習が行われているかどうかが関係している。
上位の県は、特にこのような授業を学校単位で重点的に行っている傾向が高い。これは、文部科学省が教育課程の基準として示している学習指導要領で重視している「数学的な見方・考え方」につながるものだ。
ご興味のあるかたは、ぜひ記事をご覧いただければと思います。 ちょっと目についてしまった記事に、思いのほか時間を使ってしまいました。。
SaaSの世界では、数値化や分析が流行っているようですが、定量的な分析(わたしがやったことは、決して分析と呼べるレベルのものではないけども、、)だけではなく、その数字が持つ意味を、一つ一つ細かく深堀りしていくことが本質に近づく方法なのではないかと改めて思った次第です。