『ザ・ビートルズ Get Back: ルーフトップ・コンサート』のポール・マッカートニーとリーダーシップの難しさ
普段ディズニー作品を観ることはないのですが、Beatlesのこの動画を観たくて加入したDisney+でしたが、「観てよかった」と思える作品でした。
わたしなどは、ビートルズファンと言うのが憚られるくらいのレベルですが、昔飼っていたリクガメと犬の名前は、ジョンとポールでした。
娘の名前をリンゴにするのと、息子の名前をジョージにするのは家族の合意を得られなかったので実現することはありませんでしたが。
この作品をみるまでは、こう思っていました。
・ビートルズの解散理由は、グループ内の不仲である。
・オノ・ヨーコは、メンバーから煙たがられている。
・ジョンとポールも仲が悪い。
・ポールが独裁的である。
実際に動画をみて驚いたことは、わたしが持っていた印象は、単なる憶測だったということです。
ポールは、自分のアイディアを持っています。 ただ、それを押し付けることは極力しないような配慮もみせています(時に強くオーダーを出すことは作品中にも出てきますが)。 特にジョンには配慮している様子でした。
ポールがメンバーに意見を求める。 しかし他のメンバーからはアイディアが出ないのでポールが発言する。それに、他の人が合意するというシーンもありました。
メンバー間で意見が食い違い議論するときも、お互いの意見を聞いた結果、ポールのアイディアが通りがちだったようにも感じます。 他のメンバーよりも年上だったり、そもそもアイディアが素晴らしかったりするからでしょう。
結果としては、ポールが独裁的ではないにも関わらず、結局ポールの意見が採用されているというシーンが多かったように思えます。
タイトルにある「リーダーシップの難しさ」という意図は、ポールが良かれと思って行動しているにも関わらず、優秀な人は、結果として独裁的に見えてしまったり、自己主張が強すぎるように見えることがあります。 それは「結果として」その人の意見が採用されるからです。
これが行き過ぎると、他の人は発言をしなくなります。 「まあ私がここで言ってもしょうがないか」「あの人がいい意見を出してくれるでしょう」というある種の依存や諦めの感情です。
作品中のジョージ・ハリスンがそうだったように。
優秀な人や、自己主張を出来る人は、優秀がゆえに、他人を萎縮させることがあるということです。 繰り返しですが、本人は悪くありません。 ポールは一生懸命グループのために行動していました。ポールがいなかったらビートルズが成立しないのは、言うまでもありません。 素晴らしいリーダーシップだったと思います。(少なくとも作品中では)
しかし、「リーダーシップって難しいですね」 という話でした。