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『木綿のハンカチーフ』をNLP視点で聴くと

私が好きな歌の1つに、太田裕美さんの『木綿のハンカチーフ』がある。
歌詞はこんな感じだ。

歌:太田裕美
作詞:松本隆
作曲:筒美京平

恋人よ 僕は旅立つ
東へと 向う列車で
はなやいだ街で 君への贈りもの
探す 探すつもりだ

いいえ あなた私は
欲しいものはないのよ
ただ都会の絵の具に
染まらないで帰って 染まらないで帰って

恋人よ 半年が過ぎ
逢えないが 泣かないでくれ
都会で流行の 指輪を送るよ
君に 君に似合うはずだ

いいえ 星のダイヤも
海に眠る真珠も
きっとあなたのキスほど
きらめくはずないもの きらめくはずないもの

恋人よ いまも素顔で
口紅も つけないままか
見間違うような スーツ着たぼくの
写真 写真を見てくれ

いいえ 草にねころぶ
あなたが好きだったの
でも木枯しのビル街
からだに気をつけてね からだに気をつけてね

恋人よ 君を忘れて
変わってく ぼくを許して
毎日 愉快に過す街角
ぼくは ぼくは帰れない

あなた 最後のわがまま
贈りものをねだるわ
ねえ 涙拭く木綿の
ハンカチーフ下さい ハンカチーフ下さい

なんと悲しい歌だろうか。私は東京生まれ東京育ちなので、「上京」という人生の一大イベントを経験していないが、こういうことってあるんだろうなと思うし、最近までは「責められるべきは男だが、かといって責めるのも可愛そうだな」という感覚だった。

宮本浩次がカバーしたバージョンを聞くまでは。

これまで私が聞いていた『木綿のハンカチーフ』は、太田裕美さんが歌うオリジナルバージョンだ。この曲の歌詞は、冒頭、男の「恋人よ、僕は旅立つ」から始まる男女のやり取り形式だ。冒頭は男性のセリフから始まるこの曲も、太田裕美さんが歌うと、どうしても女性目線での曲になる。そして「罪な男だな」となってしまう。

しかし、宮本浩次さんのバージョンを聴くと、同じ歌詞にも関わらず、ちょっと違ったものが見えてくる。

女の人、毎回毎回「いいえ」って否定から入ったらだめだよ。

もし、「いいえ」の部分を「そうね」で返事してみたらどうなっていたかと思うと残念で仕方がない。

そうね あなた私は
欲しいものはないのよ
ただ都会の絵の具に
染まらないで帰って 染まらないで帰って

否定形での返事は、相手との距離を作ってしまう。肯定の言葉から入ることで相手との距離は縮まるのだ。

じゃあ女性が悪いのか? それは可愛そうだ。

関係性の構築は、片方の責任ではなく双方で行う共同作業だ。男性側が、もし女性が「Yes」と返事するような言葉を多く投げかけてあげられていたら、二人のラポールは離れていても強固なものになり、別れることにはならなかったのではないか。

そして、この曲はヒットすることは無い、平凡な曲で終わっただろう。

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