生成AIが浸透し「お前の仕事は何なんだ時代」になったとき、説得力と影響力だけが人間の仕事になるのでしょうか
昔の会社には、アシスタントさん的な役割の方が多くいました。
例えば部署にかかってくる電話の取り継ぎであったり、受注内容をホストコンピュータに入力をしてくれたりといった仕事です。
「この資料、コピーしておいて」のような、まさに昭和丸出しのサポートもしてくれていました。
Gen AIが、会社生活に浸透してきています。
とはいえ、私の使い方はまだまだ初級者レベルでしょう。
せいぜい下記くらいです。
日本語から英語への翻訳
長い英語の記事の日本語への翻訳
見込み客・顧客のビジネス状況のサマリー作成
経済環境など、統計情報を聞く
お作法がある定型文の作成
いずれも「検索エンジン的な使い方」にすぎないと思います。それでも解決までの時間は一気に早まっていますので、大半助かっています。
生成AIのおかげで空いた時間を使って、他の仕事をやるというのも良いのですが、その「他の仕事」も生成AIと一緒にやれるようになると「中級者」の仲間入りかもしれません。
全部生成AIがやる必要はありません。相談相手で良いのです。
私のメール内容やスケジュールの内容、過去の売り上げ、商談、既存顧客、社員などの様々な状況をAIが把握していたら、今週のプライオリティや、漏れているタスクの洗い出し、リスクの検知、売上予測、現在の優先課題などについて、対話形式で進められればそれでいいのです。
言い換えると「そのまで生成AIがやってくれるなら、お前の仕事は何なの?」というような仕事まで、生成AIと相談しながらやれるようになると面白いなと思うのです。
その過程の中で、生成AIのツールを使いこなせるスペシャリスト(人間)が生まれるはずです。会社でそういう職種が出来ると思います。「そんな面倒なことをしないで、全員がツールを使いこなせばいいじゃないかと思うでしょうし、その指摘はもっともですが、残念ながらそうはならないような気がします。特に我々の年代的には」
私はその「生成AIスペシャリスト(人間)」を通じてAIと会話するかもしれません。「来期の売上予測なんだけど、AI的にはどんな感じ? 私の予測はこの数字なんだけど。」「へー、結構高めに読んでるね。その根拠は?」「なるほど、その商談を高めに見込んでるんだね。」といった会話をするのです。
使う生成AIが一種類であれば、特に「生成AIスペシャリスト(人間)」は不要かもしれませんが、様々なツールを使いこなしてくれる方であれば、私より上手に使いこなしてくれるでしょう。
ここでタイトルに戻ります。じゃあ「お前の仕事は何なんだ時代」です。
生成AIが重要なビジネスの相談相手になってくれる時、「生成AIスペシャリスト(人間)」がいてくれれば充分です。
近い将来、トレードオフが発生する意思決定や、多数決で決めるべきではない意思決定、人間の感情を配慮するべき意思決定も、生成AIが出来るようになることでしょう。
そうなったら、どうしましょう。上記の文脈において、残る付加価値は「説得力」だけなのかもしれません。(全ての人間の仕事についてではなく、あくまでも例で挙げたいくつかの仕事についてです)
ビジネス書の帯に著名な人の推薦文があることで、一気に信頼を勝ち取ることが出来るように、コンビニのお弁当に有名なシェフ監修の言葉があることで「美味しいはず」と確信できるように、説得力と影響力が残る付加価値なのかもしれません。
実際に生成AIを使いこなして正しい意思決定をしているのは、「生成AIスペシャリスト(人間)」であったとしても、説得力と影響力を持たせるために、その指示を出すのは営業本部長自身がやるといったところからスタートするのでしょう。
「この生成AIの指示内容、社長はOK出してるの?」みたいな会話も出てくるのかもしれませんね。
「生成AIはこう言ってるんですけど、どう思いますか?」のような相談は増えるのかもしれません。なんだか、同じことを繰り返しているような気がしてきました。
私が目指すべき将来の仕事は「生成AIを活用したクライアントの相談相手、コーチ」なのかもしれません。
またいつもの通り、タイトルと内容が乖離してしまいました。。。
いずれにしても、テクノロジーが前に進める未来は楽しみばかりです。