肩こりは患部だけ揉んでも治りません 組織も悪いところだけテコ入れしても直りません
10年以上、カラダのメンテナンスに通っている整体があります。毎月1-2回程度通っている理由は、先生がゴッドハンドだからです。
普通の先生は、肩が凝っていると言うと肩を重点的に揉みます。腰が痛いと言えば、腰を重点的に揉みます。
わたしが通っている先生は違います。
肩が凝っている時は、指先から、前腕、肘から上腕などと緩めていきます。足の甲から、足首、膝裏、腿、尻、腰、背中を緩めながら、肩甲骨を緩め、最終的には凝っている肩は、ちょっと触るくらいで治していきます。
腰が痛い時はどうか? そうです、先生がやる事は変わりません。初めて先生に診てもらった時は、腰が痛い時でした。腰が痛いというわたしの話を聞いてなかったのかと思うくらい、いつまでたっても腰を触ろうとしません。しかし最後にはすっかり良くなっていました。
凝っている箇所や痛い箇所は、あくまでも全体のアンバランスが集積した場所に過ぎないという考え方です。
患部だけ揉んでもしょうがないのです。確かに患部を揉んでもらうと、その時は気持ちが良いのですが、すぐにまた同じ症状が出てきます。それは、その場しのぎのマッサージなのです。
組織運営と同じだなと思います。
組織は生き物なので、色々なところに歪みが出てきます。
数字が達成しない、トラブルが発生している、業務量がキャパを超えているなどなど、調子の良い部門と、苦戦している部門は出てくるものなのです。
そんなとき、「悪いところ」だけをリカバリーしようとしてもうまくいきません。カラダと同様「悪いところ」は、あくまでも全体のアンバランスが集積した場所に過ぎないのです。肩が凝っている原因が太ももにあるかのごとく、営業部が苦戦している理由が、カスタマーサポートにあるかもしれませんよという話です。その逆もしかりです。カスタマーサポートが多忙なのは、営業部とサービスチームに原因があるかもしれません。さらには複数部門とその部門をつなぐプロセスが破綻しているケースも多々あるのです。
逆にカラダ同様、特定の一か所が全体に悪影響を及ぼしていることもあるので難しいですね。(リーダーはその「諸悪の根源」になりがちです。。)
そんな時は、そこを集中的に治療しないといけないわけです。他のところをいくら触っても全体は良くなりません。
その「患部」が、全体のアンバランスが集積した場所なのか、全体に悪影響を及ぼしている諸悪の根源なのか、それを見極める能力はどうやって身に付けるのでしょうか?
常に定量的・定性的な情報を総合しながら、全体と個を定点観測することでしょう。難易度は高いですし、自分は出来ていると言えませんが、それが大切なことであるとは気づいています。
何事も、意識していれば出来る様になるはずです。誰か偉い人がそんなことを言っていたはずです。