見出し画像

自分たちは特別!? 独自性のアピールは危険です

「うちの会社は特別で」 「○○業界の世界は特別で」 「日本は特別で」というようなフレーズは、誰もが耳にしたことがあるでしょう。 

それらの主張をひとつずつ検証していけば、きっと正しいことも多いでしょう。 ただ過度の独自性アピールは危険です。

1.  ネガティブな人に映る
まず、これらのフレーズの後には「xxするのは難しい」 「xxは出来ない」 「慎重に考えないといけない」 といったニュアンスの言葉が続くケースが大半です。  変わる気のない管理職のおじさんが、「面倒だからやりたくないことへの言い訳」に、訳知り顔で話している様子が目に浮かんでしまいます。 外資系においては、特にこの「ネガティブ」が嫌がられます。 「慎重」はまだしも「ネガティブ」はダメです。 

2.  他者への敬意に欠けることがある
自分たちは特別なので、というアピールは、「あなた方は簡単かもしれないけど、こっちは難しいんですよ。わかってないですね、、、」というニュアンスを持ちます。 そんな気持ちは無かったとしても、相手にはそう伝わるリスクがあるります。 特に自分が得意でない言語においては、この敬意の表現が難しい。 他者を理解しようとする気持ちは敬意の基盤です。 ここが欠けてはいけません。 

3. 思考停止になる
「日本は特別だから」と主張する人で、各国の事情を正しく理解している人をみたことがありません。 各国の事情を理解している人は、「どこの国も特別だ」と知っています。 自分たちは特別 = 難しい・出来ない = しょうがない・あきらめるという、わかりやすい思考停止は避けたいところです。 

外資系企業に勤めていて、本社や他国のメンバーが、日本の独自性、特性、国民性を意識してくれるのは本当にありがたいことです。 「日本のお客様は品質に厳しいから、、、」 「日本で営業するには、パートナーの存在が欠かせないから、、、」 「日本人は英語が苦手だから、、、」 「日本の人たちは意思表示を明確にしないから、、」 などなど、社員やお客様のに配慮してくれるのは、日本法人の社員としては非常にやりやすい。 

ただ、これに甘えてはいけません。 典型的な失敗パターンは、日本の独自性をアピールし、ゴリ押ししすぎた結果、サポートを得られなくなってしまうことです。  日本のことを気にかけてくれる人たちが多いことは本当にありがたいことですが、 時には過剰に気にしてくれることもあるし、日本の捉え方がステレオタイプになっていることもあります。 

実際は、日本だけがユニークなのではなくて、全ての人や国がユニークなのです。  そして多くの共通点があるのです。 

最後に自戒をこめて、「説明の手間を惜しまない」こと。 ハイコンテクスト、ローコンテクストという言葉は皆さんご存知でしょう。 実際の現場においては、「説明不足」というシーンを多く目にします。 相手が理解してくれないのは、「相手に理解力が足りないから」でも「文化が違うから」でも「考え方が違うから」でもありません(断言)。  相手が理解してくれないのは説明が足りないからです。(諸説あり) 

なんだか、最初の話からそれてしまいましたが、しょせん日記なのでご容赦ください。

お読みいただき、ありがとうございました!