3月8日 国際女性の日に考えること
外資系の日本法人で働いている経験が長いわたしにとって、会社の中において「ジェンダー平等」は重要なテーマであると同時に、ジェンダーによる不平等が起こっていると感じたことはありません。
身の回りには、ジェンダー問わずに活躍している人がたくさんいますし、わたし自身も同僚も、ジェンダーによって待遇に差をつけることは無いからです。
しかし、これは、あくまでも外資系企業の日本法人で働く、わたしの主観です。
ふと我が家に目を向ければ、日本企業で会社員として働いている妻は、子どもたちの朝ごはんを作り、弁当を作り、洗濯や洗い物もしています。 わたしが手伝うのは、風呂掃除とゴミ捨て、気が向いたら自分が食べたいご飯を全員分作ることくらいです。
元外資系企業で、わたしより長時間働いていた妻は、出産と同時に働き方をシフトしました。(シフトせざるを得なかったのかもしれません)
そういう意味では、会社の制度はジェンダー平等であったとしても、彼女は「何らかのハンディ」を背負って仕事をしているのかもしれません。
そんななかで、(そもそもジェンダーによる社員採用時の差別、業務上・待遇上の差別がゼロであるという大前提があったうえで) わたしが意識していることは、「非同期な働き方」です。 以前こんな日記を書きましたが、9時から17時の間だけが働く時間ではないということ。 そして相手にリアルタイムでの反応を求めないことです。
外資系で働いていれば、「もうサンフランシスコは19時だな」とか、「ニューヨークはもうすぐ月曜日の朝だな」と考えながら仕事をしているはずです。
非同期というのは、1日や2日の時間軸だけではなく、産休・育休といった1年や2年の時間軸でも意識できると女性のキャリアという観点では良いのではないでしょうか。 送ったメールの返信が2年後では仕事になりませんが、1週間の有給休暇を明けて仕事に復帰し、最初の1-2日はリハビリ期間として仕事にならないなか、3日目くらいからエンジンをかけるという働き方はよくあります。 同様に1-2年の産休・育休を明けて復帰して、半年くらいかけてエンジンをかけて仕事に復帰するという非同期があって良いのだと思います。
経営者としては、組織にそのバッファを持ち続けることだと思っています。 社員が何人か抜けたとしても残った人に負荷がかからない弾力性を持ち続けることが、会社を休む人と残る人の両者にとってプラスになるはずです。
同じタイムゾーンで働くお母さん・お父さんとしての社員や、ご両親・ご家族をサポートしている社員の家庭での姿を具体的に想像し、「非同期な働き方」を意識して実践していくことが、いまの立場であるわたしに出来ることではないかと考えています。