質問に過剰反応しない力と、過剰反応させない質問をする力
円滑なコミュニケーションをするには、「自分ばかりが話すのではなく、より多く相手に話をしてもらうほうが良い」というのは、よく聞く話ではないでしょうか。
相手に話をしてもらうには、よい質問をすることでしょう。 人は受けたアドバイス以上に、話を聞いてくれたことに感謝すると聞いたことがあります。 以前こんなnote.を書きました。
プライベートのみならず、ビジネスの場面においても、質問は重要な役割を担います。 業務上必要な質問もあるでしょうし、色々話をしてもらう呼び水としての質問など、様々な質問がありますね。
以前書いたnote.のような「空質問」は使いすぎると逆効果だと思いますが、意外と使えるツールかもしれません。 相手をみてお試しください。
さて、タイトルにある「質問に過剰反応しない力と、過剰反応させない質問をする力」ですが、これはかなり重要な能力だと思っています。 特にバックグランドが違う人が集まる環境においては重要になってきます。
まず 「質問に過剰反応しない力」です。 これは誰かからの質問を「自分への攻撃」「批判の入り口」「反対意見」と、質問者の意図を超え、過剰に捉えないための力です。 過剰反応してしまう人は、相手の純粋に質問したいと思って投げかけてきた言葉に対して「ごちゃごちゃ言ってきた」「なんか文句言いたそうだった」「絶対反対しているはずだ」と被害妄想と言ってもよいレベルで反応してしまいます。 その先に待っているのは、「防御」であり「敵意」です。
これは知らない相手からの質問に対して起こりがちな反応です。 「なんか知らないやつが、色々うるさいんだよ」というやつです。
「質問に過剰反応しない力」は、1つのビジネススキルと言っても良いくらいで、 この力がない人は、特に初めての相手とのコミュニケーションがうまくとれません。 仲の良い人だけで群れることになります。 自分の説明不足を棚にあげて、相手の質問を煙たがるのは、実力不足に他なりません。 相手の質問を「否定」と捉えてしまう人は、そこから先に進もうとしないこともしばしば。そうなると当初の目的を達成することも出来ず、結果パフォーマンスが上がらないということになってしまうのです。
つぎに、「過剰反応させない質問をする力」です。 これは相手への配慮についての話です。 わたしも何度「Why?」「How?」と質問されたかはわかりませんが、 顔も見ないで「なんで?」 と聞かれたら、過剰反応するなと言っても無理がありますよね。
以前、インサイドセールスリーダー向け講座でこんな話をしたことがあります。 インサイドセールスとして、マーケティング担当者に質問する際、「なんで、うちのホームページって、この情報がないんですか?」や、「なんで、このイベントに出なかったんですか?」 というような質問には、多くの「否定的要素」が含まれているので、聞き方には配慮して欲しいと。 こんな聞き方では、マーケティング担当者が「防御態勢」をとってしまったとしても無理はありません。 短く鋭い質問には、相手の内省を促すという良い効果もありますが、質問の仕方によっては、簡単に「否定的感情」を伝えることもできるわけです。
「率直であること」と「言い方に配慮すること」は別もので共存できると思っています。
回りくどい言い方で、相手に伝わらなかったり、イライラさせることも嫌ですし、社内で気ばかり使いあって、よそよろしいのも嫌ですが、相手に過剰反応させない力は、基本的なビジネススキル(というかマナー)の一つです。
信頼関係が構築されたあとであれば、まあ何でもいいでしょう。 「なにこれ?」 でも「は?」でも相手は過剰反応しないでしょう。
いや、さすがに嫌な気持ちになるかもしれませんね。 ご注意ください、。